人気ブログランキング |

コミュニケーションをさぐる

今回の専門演習では、大津由紀雄編著 『はじめて学ぶ言語学』の
第6章コミュニケーションをさぐる(森山卓郎)をしました003.gif

私たちは自分の思いをテレパシーのように直接「思い」のまま伝えるのではなく、
何らかの記号になおし、伝達し、読み取ることが必要です。

072.gif関連性理論
私たちは表現されたものをそのまま受け取るのではなく、相手の発言を認知し、行動につなげています。
例えば
「今日は寒いね」と言って窓の方を見るのは、窓を閉めてという意味も含まれています。

日常生活では、文字通りの言葉だけではなく、「この言葉から、こういうことが言いたいんだな」と予想されるような「含みとしての意味」を受け取ることが自然です。

~コミュニケーションでの対人関係的気配り~
072.gifブラウンとレビンソンのポライトネス理論
人間同士、円滑なコミュニケーションを行うときには何らかの気配りをしています。

ネガティブポライトネス…他人から押し付けられたくない否定的側面の面子に配慮した、「頂けませんでしょうか」、「大変申し訳ないのですが」のように相手が断りやすい、遠慮のある表現。
ポジティブポライトネス…友達など、親しげで、楽観的な表現や、相手を頼るような表現。

コミュニケーションは誰が利益を受けるかという関係も関わっています。
ホテルのロビーの公衆電話に置かれたメモ用紙に「ご自由にご利用いただけませんでしょうか?」と書いてあると変なかんじがします。普通「ご自由にご利用ください」です。
自分に利益がある場合には「~していただけませんでしょうか」、相手にとって利益になることを勧める場合には、断りやすくしてしまってはいけないので、「~ください」など利益がどちらに行くかによって言い方を変えています。

~日本語の敬語~
・尊敬語…相手側、または第三者の行為・ものごと・状態などについて、その人物を立てて述べるもの。
・謙譲語Ⅰ(「伺う・申し上げる」型)…自分側から相手側、または第三者に向かう行為・ものごとなどについて、その向かう先の人物を立てて述べるもの。
・謙譲語Ⅱ(丁重語)…自分側の行為・ものごとなどを話や文章の相手に対して丁重に述べるもの。
・丁寧語…話や文章の相手に対して丁寧に述べるもの。
・美化語…ものごとを美化して述べるもの。上品に聞こえる為、自分の品位を高める効果もある。(お茶、お風呂…)

~対人関係の危機管理としてのコミュニケーション~
072.gif関係修復理論~謝りとお礼~
お詫びもお礼も何らかの利害関係が生じています。お礼とは聞き手からの利益の提供に伴う不均衡の修復、お詫びは聞き手へ損害を与えたことによる不均衡の修復で、共に対人関係の調整です。
不均衡が生じたら、話し手は聞き手との関係を認定し、聞き手へ自分の不均衡修復の意図、心情を表明することが必要です。
「この間はありがとうございました」これは前のことも現実に戻して言う為、相手への心配りを忘れていないことを示します。

~コミュニケーションの情報伝達的側面~
072.gif情報のなわばり理論
なわばりとは、お互いがある知識を対等で共有しているのかなど、相手の知識に配慮した表現が期待されます。聞き手が知っているか、知らないかによって文末、応答表現も変えていくことが必要です。

~ノンバーバルコミュニケーション~
言葉によらないコミュニケーションで、話す時の距離、まなざし、表情、身振りやしぐさなどさまざまな要因が関わっています。地方、国、民族などによって異なるが、意識されないことも多く、誤解や違和感の原因となることが多いです。

パラ言語
声の質、声色、笑い声、息の吸い音など、言語に随伴する要素。速さ、イントネーション、間の取り方も重要なメッセージを伝えており、
音を引きのばしたり、冗談ぽく言うのとでは、話すことの位置づけも大きく異なります。

 何事もはっきりと明示的に言う文化、はっきり言語化しなくても、適宜相手が読みとってくれることを期待する文化のように、人間の言葉でのコミュニケーションということを考えるには状況、文脈、その認知も考える必要があります。
 現代社会では、異なった文化の人とコミュニケーションを持つ機会も増えているので、文化間コミュニケーションでのコミュニケーションギャップが発生する可能性はどんどん増しています。コミュニケーションについて考える確かなまなざしによって、互いに真心を通わせ、お互いに心豊かな社会生活が送れるようにするべきです。


普段何気なく使っている言語を、理論から見るととても面白いものだと思いました。
深く理解する為には、自分の経験をつなげ、例を挙げる、その理論を立証する・・・
自分の考えを明確に持ちましょう016.gif

担当056.gif伊藤
by imuzemi | 2011-11-23 14:17 | 2011年度 軌跡